別れは突然に

大事な人は失ってから気づく・・・。


「いやぁあああああああああああ」

目の前で、太裳が、敵の爪を諸に食らっている。
結界を張った太裳。
そのまま結界が破れ。
私をかばうようにして

倒れていく…。

「太裳!太裳!・・・貴様!」

「よくもわれらが同胞に!」
「貴様は・・この四闘将が相手してくれる!」

闘将たちが戦う中。私はひたすら太裳を呼んだ

「太裳!太裳・・・」
「・・・・様・・・お・・けが・・・ありませんか?」

「私は無傷よ!それよりも太裳が!」
「私・・・は・・・様をお守りすることができた・・それで十分です・・。」

だんだんと冷たくなる太裳の体。
私は涙を流しながら、必死に呼んだ。

「あぁ・・・みんな居るのですね。・・・・よかったこれで様を守ることができます。」
「太裳・・なにを・・」

「私は・・・貴方の傍で・・・貴方の式神で・・十二神将と・・・それが誇りでした・・」


「ありがとうございました・・・。私は・・・優しい様が・・・大好きでした」

ぽぅっと光に包まれた太裳は・・・そのまま宙に浮いた

「太裳!?」

そしてそれは光は小さくなり、光は形を変え、新たな太裳を作り出していた。

「太裳!いやよ!太裳!」
「よせ!結界からでると危ない!」

新たに天空の張った結界が内側に玄武の結界を張り。
を守っていた。

玄武は必死にを引き止める。

「私は・・・貴方が主で・・・本当に嬉しかったのですよ・・・」

その声色がだんだんと変わり、まったく別の太裳が生まれた瞬間だった。


そのとき気づいたのだ。
私にとって太裳はとても・・・大切な存在だったのに。

「これは・・・はじめまして。といえばいいのか。太裳、と申す。」

「貴方が神将の主だな。」

「私も貴方の傍で仕えよう。」

新たな太裳が語る。私はただ、涙を流しながら、頷いた。


妖は、紅蓮らに倒された。
屋敷にすぐ運ばれた私は意識を失った。

ただ、夢の中で太裳に会いたかった・・・。


「太裳・・・太裳・・・」

貴方は優しい・・・春のようだった

桜みたいに優しくて。
でもそれでも存在感をあらわすのは見事なほどに

私の中で大きく・・存在していたのに


「桜雅・・・」

おうが。と。
消えてしまった太裳に名づけよう。

貴方は。太裳であり、桜雅・・・。

この二つ名は、私が送るのには嫌かもしれないけど。
私の中でずっと呼び続けるから・・・


私も・・貴方が大好きでした。




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