8.心に響く悲鳴

クククと低い声を発する。
妖が、笑っている

[ツキノ・・・ケシンヲホロボストキガキタ!]

「くっ!」

蒼月女神が、神殿の中で膝をつく

『露峰めが!』

怒りをぶつけるが、体から月の力が抜けていく。

『ああああああああああ!!!!』



・・・・・・

晴明と昌浩、そしてはみんなと食事をしていた。
月の力が抜けていることに最初こそ戸惑ったが

自分には、見鬼も、霊力もある。闘いにはそれほど支障はないはずだ。
ピンチのときには神気を補って使っていた。
それはかつての晴明、昌浩も天狐の力をつかっていたから、
あまり代わり映えはしない。

つかうものが違うだけで、
みんな同じ道を歩んでいた。

「じい様。これ美味しいですよ。」
「そうだの。平安と平成じゃずいぶんと食べるものにも変化があるようだ」

と笑うと、二人は、ハンバーグを食べて微笑んでいた。
太陰が作ったからか少しこげていたが、六合が一生懸命にサポートしたのだろう
美味しかった。

「私が一生懸命つくったんだから!晴明も昌浩も残しちゃだめよ!」
「わかっているよ、太陰。ありがとう」

そのとき、体から、異変を感じた。

「!・・・・母さま?」

ドクンドクンと、鼓動が波打ち、顔が真っ青になる。
何かが起きている。


「どうしたんだ?」
青龍が不思議そうにしている。
ほかの人たちも同様だ。

「一瞬、母さまの声が・・・悲鳴が・・・」

陰陽師の勘は、流してはいけない。
でも、あの母様に限って・・・とも思う。


すると、月の神気が抜けたことと何か関係が?と思い、立ち上がる。

「私、母様のところにいってくるわ。」

すると、神将たちも連れて行ってください。と声がかかる。
私の気のせい、だといい。

私は、勾陣と、太陰、そして天后をつれていった。
月の神殿には原則は女人のみだから。



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