2.見定めるとき
日もまだ明るいとき、貴陽の町に、怪しげな格好した少女がいる、とうわさを聞いて御史台である紅秀麗がやってきた。
「このあたりかしら。まったく。葵長官てば人使いが荒いんだから。」
「まぁ、まぁ秀麗殿。落ち着いてください。(でなければあとで静蘭が怖いのだが。)」
「それにしても、なぜ藍将軍まで?」
秀麗が疑問そうにしていると爽やかに返答する楸瑛。
「主上に言われたのもそうだけれど。なにやら予感がするんだ。藍家にとってつながりのある方かもしれないと。」
龍蓮のような天賦の才はないが、予感は結構あたるほうだ。という。
紅藍両家の主上のお気に入りだ。
絳攸はさすがに主上の元を離れるわけには・・・もとい吏部から離れるわけにはいかなかった。
その点、将軍職である身は戦がなければ暇なわけだ
「あれかしら?」
「どれどれ?」
あたりを見渡す闇色の衣につつまれた少女。
その周囲には、なにかがいる。そんな気がした。
ちょうど、そのころ、は太陰たちに野宿できそうな場所を探してもらっていた。
のためその辺を動かないほうがいいと判断していた。
「それにしても、さっきより騒がしいと思わない宵藍?せっかく六合から霊布借りたのに。」
≪・・・お前に見惚れているんだろう。先ほどから男ばかりか女までお前を見ては立ち止まっている。≫
恋人の贔屓目ではないが、青龍は、の容姿は美しいと思っている。
それはあの父親の遺伝子は本当に入っているのか?と疑いたくなるほどに。
≪様。何者かが近づいてまいります。お気をつけて。≫
「わかった。天后。」
天后の忠告どおりにすぐに声をかけられる。
「あの、申し訳ありません。」
「君は旅人かな?」
赤い衣をまとった少女と、青い衣をまとって鎧を着けている青年。
きっと青年のほうは武人だろう。
闘将たちが、警戒に入る。
「・・・何かしら?確かに旅人といえばそうね。」
余計な詮索はするな。と目で訴えてみる。
しかしそれにも目もくれず。青年はの手をとった。
「これはこれは美しい方ですね。どうですこれから私と一緒に茶など。」
≪!!≫
宵藍が青年に対してにらみつける。
「藍将軍。仕事できているんですが。」
少女は呆れながら、ため息をつく。
どうやら少女のほうが話がしやすそうだ。
ちょうどいい。霄と名乗るものの情報をもっていたら聞き出そう。
すると、野宿にと散策に出ていた白虎と太陰が戻ってきた。
顕現をしている。
「〜いいところ見つけたわよって・・・だれよこいつら?」
「太陰。」
白虎は呆れている。
は二人をみた。
どうやら、神将たちが見えているようだ。見鬼の才をもっているな。
これは説明をしなくてはならない。
なんせ、太陰たちは空からやってきたのだから
「し、秀麗殿。私は夢でもみているのだろうか。空から人が降ってくるなんて」
「藍将軍。でしたら同じ夢をみているようですね。」
二人はぼーとしている。仕方ない。これは話をしなければならないな。
と思い。太陰に命じる。
太陰の風でどこまで耐えられるのか、少し試してみたかった。
「太陰。見つけてきた場所へ。この人たちもまとめて。」
「え?で、でも!さっきから青龍がすっごい睨んでるわよ!悪いやつなんじゃないの!?」
宵藍をみると。まだ睨んでいた。まださっきのことを根に持っているのだろう。
「はぁ。いいから、運んで。」
「わかったわ。えーい!」
暴風が街中に起こる。
人々は何事か、とみるが神将たちが見える力はもっていないないためただの突風だ。としか思っていない。
意外と、近い位置にあったため、すぐに着地地点に到着した。
太陰の風で、着地ができそうにないな。と思ったが、宵藍がしっかりと抱きかかえてくれた。
「ありがとう、宵藍。」
「・・・あいつらまでつれてくる必要があったのか?」
すると、青年はしっかりと受身をとり。少女は白虎に助けられていた。
「えぇ、だって、あなたたちをしっかりと見えるみたいだし。」
すると、神将たちは、驚く。
そして、主を守ろうと、神将たちが顕現する。
さて、この人たちは信用たる人たちなのかしら?
見定めなければね。