13.夢のような感覚



神気を爆発させたは気が付くと自分の部屋で目を覚ましていた。
彩雲国の世界から戻ってきたようだ。
安倍邸だとすぐ理解したけど、少し残念なことがあった。

「お別れしたかったな。」

彩雲国の人たちは始めこそいろいろあったが、いい人たちだった。
そして・・・・

「若葉・・・。」

最後に微笑んで逝ったから。魂だけは救われたのかもしれない。
涙が止まらなかった。





ふと、貴船の神の気配が近くに現れた。
「高淤の神?」
『よく戻ったな。あぁ安心しろ酒ならきちんと私のところに届いている。』
「高淤の神。本当は若葉を助けるために私をあちらに飛ばしたんでしょう?」

すると高淤の神はふっと笑って
「若葉とは、私が昔人の子を食らった異形を彩雲国へ飛ばした子か。私はただ彩雲国においやった責任を果たしただけだ。それに酒もな。」

と笑うとそのまま貴船へと帰っていった。

「はぁ・・・。天一。」



神将の名を呼ぶと、天一は顕現して現れる。
「お体は大丈夫ですか?様」
「うん。神気を使いはたしちゃったのか、しばらくは動けないけどね。でも高淤の神が着てから少し楽になったよ」
「そうでございますか。私どもは、霄太師の判断ですぐにこちらへと移動しました。」

と天一があの後のことを語りだす。
すると近くで玄武が顕現する。

「彩雲国の面々からいいたいことも別れもあったが。霄太師が我の水鏡で彩雲国を映し出して、霄太師が璃桜という者に繋げば話をすることもできるだろう。といっていた。」

水鏡か。ならば今度機会をみて頼んでみようか。

「それじゃ・・・本当に帰ってきたんだね。」
「えぇ。本日は、昌賢様の相手を青龍たちがしていますので安心してお休みください。」

父親がいちばん騒がしいからな・・・と考え、でもあちらにいたときは、父親が心配だった。
18になり、あと2年ほどしたらこの地を離れるから。



ぼんやりと考えていると目の前に宵藍が現れた。

「宵藍?」
「眠いのを無理するな・・・」

力を使い果たした体はまだ睡眠を必要としていた。
まぶたがだんだん重くなっていった。

「父さんは?」
「騰蛇たちがみている。お前はただゆっくり休め。」

と頭に宵藍の大きな手がそっと置かれると、安心したのか、
私は次第に瞳を閉じていった。




今回は、昔のこと、

これからのこと

考えされたけど

自分で決めたことは絶対に覆さない。

私は私の道を進む。

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