8.慌しい夕餉



神将と恵梨ちゃんと話をしていたら、だいぶ外の明かりがなくなり、電気をつける。
そろそろ夕餉の時間だ。

すると、ちょうどいいところに、六合がきた。

。晩飯ができた。」
「うん。ありがとう。じゃ、食堂に行こうか。」

神将と、恵梨ちゃんと一緒に移動する。
神将はご飯をたべなくても大丈夫。
私は神姫だけど、肉体は人だから、食べないと体が動かなくなる。

なので、父親がいないときは、何人かの神将も一緒にご飯をたべたりもするんだけど。
今日は、父親が会社に泊まりこみで働いているらしい。


「んー。どうしようか。」
「一応、大目につくっておいたから4人ほどは大丈夫だ。」

悩んでいると、六合が返答する。
すると、天一が提案した。

「人数が多いほうがおいしいと様はおっしゃいましたから。そうですね、話しやすい神将をさそってはいかがでしょう?」
「俺と、天貴は異界にてさきほどのことを翁に報告にいくが。」

傀儡の術。おきたことを神将たちにいうと、昔にもその名であやつられていたものがいたらしい。
違う魂が入り込んでいるのはまた違ったらしいが。



「んー窮奇の弟がつかってたとかいってたらしいけど。」
「まぁ、その話はあとだな。」

紅蓮がいう。食堂についた。
テーブルの上には美味しそうな和食が並べられていた。
太陰たちがとってきた鮎もある。

「すっごーい!毎日こんなの食べてるの?!」
「うん。天一が作ったり、天后がつくったりもするよ。」

神将によって料理の品が変わる。
それもたのしい。



「じゃ、今日は、紅蓮と・・・勾陣がいいかな。」
そういうと、ほかの神将はわかったといい。異界へと下がる。
六合と宵藍は屋敷の中に控えているみたいだけど。

闘将が常にとどまっているから、ほかのものは安心して異界へといく。
「それじゃ、いただきます。」

鮎の塩焼きを食べていると、突然恵梨ちゃんが言い出す。

「ねぇ、。」
「ん?」


ちょうど勾陣が注いでくれたお茶を飲みながら話に耳を傾ける。

って青龍のこと好きなんでしょう!?」

ブーーーーーーーーーーーーーーッ

盛大にお茶を噴出す。
料理にかからないように横に。

「ほう。それは面白い話だな。どうなんだよ。」
勾陣が雑巾で床を拭く。

「えっちょ。なんなの?」
「はっきりしなさいよー。」


恋愛話がすきな女たちはを見る。

「そりゃ、神将たちは家族だし好きだよ?」
「ちっがーう!私がいってるのは男として青龍が好きかどうかってこと!」

あまりでかい声で叫ぶからか、何事かと、六合と青龍がやってくる。

「なっなっ////」

六合と青龍は顔を真っ赤にした主を心配する。

「風邪か?」
「風邪などひいている暇なんかないだろうに」

近づいてくる二人からあとずさる。
勾陣が面白がって、の後ろにたって、肩をつかむ。




逃げられない。

すると、紅蓮が手助けする。

「恵梨が騒いだらこうなった。風邪ではないな。」
といい刺身を食べる。

「むー。だって、鈍いんだもの。」
「まぁ、それがだしな。」

といい。そのまま、場は収まった。
六合と青龍は持ち場にもどり、勾陣はようやく席に着く。

「しかし、よ。女神の娘がこんなに鈍くて大丈夫なのか?」
「っ・・私はまだ女神じゃないし。」




肉体から離れたそのとき女神となるだろう。
でもそれは何百年も後になる。

まだまだ、現役なのだ。の母は。

「まぁ、そのうち自分の答えがみつかるだろう。まぁ青龍とくっついたなら俺たち神将も安心だが」
「だから、なんでそうなるの?」

「だって、さっきから目を合わせようとしてないから意識してるのかとおもった。」
恵梨ちゃんがいう。

確かに目をあわせられない。
あのときから。




自分はおかしくなったのだろうか。

と思ってしまうほどに。


それほど、いつもと同じくできない。

そうか、これがすきということなのか。

自分の中で結論がついたら、少し楽になった。


神将とは主従関係。でも、そんなのはいらない。

一緒にいてくれればいい。

それだけだから。

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