1.突然の依頼人




休日。


元の学校にも戻り、恵梨ちゃんともきっちり話すこともできたし。
今は十分に平和なときを過ごしている。


休日の朝、相変わらず、一人でおきれなく神将たちに起こされている。

「・・・。おきろ。」

どうやら今日の当番は宵藍のようだ。
不機嫌そうな声が聞こえる。




当然私は眠気と戦っていて寝ぼけている。

「んー・・・」
「おきろ。」
「ん?・・しょ・・・ら?」

上半身を起こしぼーっとする。
窮奇と戦った後神気回復に手間取って熱を出したりといろいろ大変だったからか
それとも、全回復してないのに、夜警にでたからか、
眠気がひどかった。



様。大丈夫ですか?≫
天一が心配して見に来たようだ。
ようやく意識がはっきりして、ゆっくりうなずいて朝の挨拶をする。

「おはよう、宵藍、天一。」
「あぁ。」
≪おはようございます。≫

すると、天一が、顕現する。
「恵梨様がいらっしゃってますが、どうしますか?」

こんなに朝から早くくるなんて、きっと何かあったからだ。
私は、とりあえず、居間に通すようにいった。



とりあえず、朝食は食べないと。今日は六合が作ってくれたんだっけ。
ということは和食か。とか考えながら着替える。
宵藍や男の神将がいても別に気にしない。

気づけば勝手に出て行くから。

「それにしても何があったんだろう。」

少し早めに着替え、ご飯を済ませて、居間にいった。






そこには、すごく暗い顔をした恵梨ちゃんがいた。

「おはよう。」
「お・・・おはよう・・待たせてごめんね。」

とりあえず、待たせてしまったことに謝る。
「大丈夫。こっちが押しかけたし・・」
「それで、何があったの?」


「あのね!彼氏の壱ちゃんがね急に人が変わっちゃったの!」
「え?あのーえっと・・」
「だって、いきなり女遊びひどくなって別れようって。うぅ・・」

泣き出す恵梨をとりあえず、慰める。



それにしても困った。相談内容が、調伏とかじゃない。
しかも恋愛ときた。

は、美人といえば超がつくほど美人なのだが、一度も誰かとつきあったこともなければ好きになったこともない。
陰陽師としての勉強が忙しかったのもあるが・・・。

はっきりいって、こういうのは向かないのだ。

「でね・・もし、もし壱ちゃんが何かに取り付かれてるかもって」
「そういうこと。」


それならはなしは別だ。何かに取り付かれているならば、それを払うこともできる。
しかし。本当に取り付かれているかも定かでない。
たしかに恵梨ちゃんは、友達の贔屓目かもしれないけど姉御的美人だ。


しかし。彼氏さんのほうが、ほかの人をすきになったなら話は別だし・・。
まったく、恋愛って経験がないからなぁ。と考えているのもつかの間。

「とりあえず。遠めでいいから見るだけ見てくれる?」

そうお願いされてしまえば否とはいえなかった。

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