5.紅蓮編



が俺たちの主になって、夜警にと毎日のようにいくようになった。
しかし、最近ここ何年の疲れが最高に溜まりにたまったのだろう。

今は床に伏せている。

は異例といえば異例だった。

晴明や昌浩のときにでもあまり出てこなかった太裳や天空の翁までが、頻繁にこの屋敷に顔をだすようになった。
といっても、天空の翁の場合、水鏡だったりもするが。

俺は、昌浩の時のように物の怪の姿は今はとっていなかった。
昔はやはり、怖がらせたくない思いで、物の怪の姿をとったりもしていたが。


どうして、そんな姿をとるの?
たしかにその姿もかわいいけれど、優しい紅蓮の姿も好きなのに。
といったのだ。

俺の本性をみてどこをやさしいというのだろうか。
地獄の業火を操る凶将で、血塗れの身である俺を。

昌浩がそうだったように、は暖かく迎えてくれたのだ。




晴明や、昌浩のときでこそ、闘将4人で戦うことも少なかった。
が、いまでは、闘将四人で、主を常に守っている。

そして、それに対し、必要に応じて、神将たちがくることもあるが、
比較的平和な今を闘将4人で歩いているのが少しばかり不思議であり、それが当たり前になっている今がうれしいと思う。

太陰も俺をみて怯えることは極力減った。俺が神気を爆発させたりすればさすがに怖がるが、今は普通に話しかけたりもする。

俺たちにとって、晴明や昌浩が大事で大切だった。けれど、もまた大事で大切だ。
は、昌浩たちを超えるなにかを持っている。

神将たちを家族といい、そして、神将たちもそれに応えたいと、異界にいることもほとんどなくなってしまった。






茵にねているの様子見に部屋へ行ったらどうやら起きたようだ。

「紅蓮?」
≪・・・起きるな、寝ていろ。騰蛇ごときにわざわざ起きるな。≫
≪そういうな青龍よ。が心配なのはわかるがな。≫



俺は、お前が望むなら、この身に変えても、お前を守ろう。
お前が望むことをかなえてやろう。それは俺だけでなく、ほかの神将たちも同意だろう。

昌浩ー・・・お前の後継は変わり者だが、お前のように、また晴明のように

俺たちの大事な存在だよ。

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