1.勾陣編



私が、を主にと認めたのは、あれが、6歳のころだ。

その日、ほかの神将たちは、異界にいた。
学校に行っているに護衛についていたのは私だった。

神将たちの主になるかもしれない可能性を秘めた子。
それがだ。

女神の娘とあって、少女はとても美しい容姿だ。
妖の類だけではなく、誘拐なども一度や二度ではなかった。

結局、その犯人の隙をついて、を助け出していたが。


この子は、人見知りがない。
初めてあったにもかかわらず。話しかければ美しい笑みをこぼすのだ。

学校から帰り、家にいるときだった。

「ねーこうちん。」
「何だ。」
「どーして母様はに会いにきてくれないの?」

ふと、が、つぶやく。
何かを察しているのか、この子から母親の類をあまり口にださなかった。

母親は女神。父親に託すといい。その場にとどまっている。
母親は、平凡に人間の生活をさせたかったのだろう。

「今日ね、学校で母様にお手紙書きましょうねっていってたの」
「学校?」
「うん。どうとくの授業でね。でも、には、母様と会う権利はないの?」


「お前には、母親はきちんといる。ただな。ここより少し遠いところにいるんだ。」
「じゃあ、お手紙・・・。」

悲しいそうな顔をするこの子をどうすればいいのだろ。



「ならば、お前の母親がお前に会いに来るまで、お前の母代わりになろう。」
「こ・・ちん?」


なぜ、そんなことをいったのかわからない。
でも、その瞳が、さびしそうで。

どこか、昔の主のような錯覚におちいったのか。

。私の宝を教えよう。」
「こうちんの宝!?なになに!?」


「それはな・・・。」

そういって、私は、二つ名をに教えた。
さびしくても耐えるということを知っている。
神将に迷惑をかけないように極力我慢しているのをしってる。


ならば、私にはすべてをさらけ出してほしい。
大切な主になれるかも知れない。この子を見守って・・


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