7.無力さをかみ締め




結局遅刻して学校にいった。夢が気になったから平山くんの正体をはっきりさせようと思ったが
欠席らしい。あの夢の後に欠席。おかしい。

べつに風邪でもひいたのかもしれない。
でもそうは感じられない。

窮奇の・・・贄にでもなったか・・。

下唇をぎっと噛む。


誰も巻きこまずにいられればいい。
そう思うのに、毎回だれかしら犠牲者がでるのが事実だ。

それが悔しい。


お昼になると、天一の作ったお弁当を広げる。
今日は、サンドイッチか。
神将たちは、いろいろな知識をもっている。
料理についても同じ。

洋食もよくでる。
料理は自分でできるが、夜警などで疲れていて実行できない場合が多い。
だから神将たちがいてくれてとても助かっている。

「おいしい。」
野菜がたっぷり入っていて栄養満天だ。
天一は自分は移し身しかできないといっていた。
でも私は、それを使ってほしくはない。といった
一緒にいてくれている。それだけでいい。
おいしいご飯もつくってくれるしね。といったら
比較的毎日おいしい料理を研究しながら作ってくれる



。放課後、貴船の龍神がいっていた神社にいってみたらどうだ≫
宵藍が提案してくる。私は、怪しまれないように小さく頷いた。

高唹神がいうには、罔象女神が封じらているそうだ。
罔象女神は高唹神同様水神。

この梅雨の時期に雨が降らないというのはやはり封じられているからなのだろう。
天一のつくってくれたサンドイッチを味わって食べていると、クラスの人であろう人が声をかけてきた。

「はじめましてさん。私羽月っていうの。」
「どうも。」
「あの。是非お近づきになりたくって。」

そういって微笑んだ彼女は、サンドイッチを食べ終えた私をつれて裏庭にいった。





「羽月さん?」
そう呼んだ、とたん、彼女の口から、妖がでてきた。
それは、本でみたことがある姿だ。
「お前は。山海経でみたことがある!」

-ほう、妾を知っているとは、妾は彪-

「その子に何をした。」

近くで護衛の宵藍と紅蓮、そして太陰が顕現する。

「その娘、とっくに息絶えている。」
「すぐに気づかなかったのは、その娘がまだ食われていなかったからだ。」

-その通り、この娘は先ほど捕まえた。妾の能力はうちからゆっくりと食っていく。-

「私に用か!」

救えなかった自分にイライラする。

-妾の主が呼んでいる。贄にとな。-



「させるか!」
紅蓮が炎の蛇を放つ。

-ギャアアア-

簡単に彪は消えていった。

やはり、ここは早々に神社にむかって神に力を請うべきだ。


「太陰。貴船の龍神のおっしゃった神社へ。」
「任せて。」

すると、太陰の風が自分たちを包んだ。


-ククク-

-方士の血族が来る。-

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