5.不得意分野
神将たちに見送られ、学校へと向かう。
ケータイに着信が入る。
ピッ。
「もしもし。」
「この!バカッ!なんで勝手に転校しちゃうのよ!」
例のごとく、怒鳴り声が聞こえる。
「仕事で・・・。」
「・・・ならいいわ。休みには、遊びにきてよね。」
恵梨ちゃんはそれだけいうとブチッと電話をきった。
ちゃんと私を理解してくれる。
それだけで十分だ。
しかし、どうしたものか、なかなか学校までたどり着けない。
もらった地図をみると、もう少しなのだが・・。
「これ、間違ってるのかなぁ・・・。」
「どれ、貸してみろ。」
紅蓮が、肩にのっかり、手にもってる紙をみる。
すると、大きな声で叫びだした。
「このばか者!地図も読めないのかお前は、逆さだ!」
「えぇ!?だって、上って書いてあるから」
「上っていうのは北をさしてるんだ、地図によってはちがうぞ!」
言い争っているうちに、ちょうどいいところに同じ制服をきた人がこっちに向かってくる。
いや、学校へ向かっているのだろう。
「あの人についていけばつくよね。」
≪そうしろ。≫
宵藍の少し呆れた声が聞こえてくる。
しばらくすると、学校が見える。
とても大きな学校で、結構新しい学校だ。
「やっとついた・・・。」
「まったく。陰陽術以外にも地理をもっと勉強しろ。」
私の成績は、常に10番くらいだ。
だけど、地理だけはどうしても苦手だ。
悪い点をとると、天后と天一は悲しそうな顔をするし、太陰は励ましになっていない励ましを送ってるし
青龍と六合と朱雀と玄武は無言で見つめて(睨んで)くるし。紅蓮は紅蓮でうるさいし。
とまぁ、実父よりも大変な親をもった感じだ。
≪見鬼の才があるお方がいらっしゃるかもしれませんね。騰蛇なるべく神気を抑えるように≫
太裳が注意する。一応、念のためだ。
もしもいたとしたなら説明がかなり面倒だし。
まったく知らない人にあれやこれや言ってしまうのも後から面倒だ。
「失礼します。」
職員室に入る。すると担当の先生らしき人が自己紹介をしてくる。
けれど、私は、別のことに気になっていて、話をきいてなかった。
何かが、ここの学校にいる。
直感だ。
いいものか、わるいものかは分からないが、そんな感じがする。
≪様?≫
「え、あ。」
「・・・それで、安倍さんは、頭がよろしいので、2組に入ってもらいます。本来なら1組なのですが、この時期ですし。」
どうやら、この学校は数字の早い組から頭のいい人が集まるらしい。
この学校には別にあまり用はないし、本来の職をまっとうしようかなと考えていた。
2組にはいって簡単に自己紹介をして、授業をする。
私の席は、窓側の一番後ろだ。
すると、先ほどの直感が、体中に走る。
席の隣。
「はじめまして、安倍さん。僕は、平山。」
「は、・・・じめまして・・。」
この少年から・・・なにかを感じる。
それは・・・なに?
-サァ、方士の血族よ。-
-我らの贄に・・-