3.新たな敵現る。




家に帰ることなく、白虎に貴船に送ってもらった。
正直結構疲れていた。

「天一〜今何時?」
≪午・・いえ、夜の12時です。≫

隠形している
神将たちは、この長い1000年もの間、現代を直に見てきた。
しかし、口調というものはなかなか変わらないし、言葉も昔の方が慣れているらしい。
まぁ、でも神将たちは頭がいい。英語とかも普通にわかるらしい。

聞けば、神の末席でも、神として恥がないように・・・。らしい。
しかし、どうやら紅蓮は微妙らしいが。発音とかが・・。

「それでもいつもの夜警の時間より前なんだ・・。」
≪無理はするなよ?≫
≪そうです。ご自愛ください。≫

紅蓮と天一が気をつかってくれている。
まぁ、この一族に生まれたから仕方ないし。
それに皆といられるなら、こんなのたいした事じゃない。

「・・・・。高唹の神。」
『来たか。』

すっと、岩の上に座るようにして現れた。




「えぇ。たったいま妖狐を調伏しました。」
『あぁ。では早速用件に入ろうか。神将たちもいるなら聞くがよい。』

すると、異界で待機していたものも、傍で護衛していたものも顕現する。
天空以外の十二神将が、勢ぞろいだ。

『そうだな。聞くなら全員がいいだろう。』
「わかりました。天后。異界へ、水鏡を。玄武はここで天后と天空を水鏡で。」
「分かりました。」
「承知した。」


貴船に青い光で包まれる。
水鏡を出した。

「久しぶりね、天空。」

。1月ほどぶりか。」
「えぇ。では、高唹の神。用件を。」


『お前たちに、頼みたいことがあってな。』
「頼み?ですか?」

神将たちはだまって、会話を聞いている。口を挟めば長くなることを理解しているのだろう。

『実は、私の妹のようなやつがいてな。その近辺で突如西より異形が現れたらしくてな。』
「異形っていうと、みんなが昔、戦ったような?」

「あぁ。その時は、窮奇が親玉だったな。」
紅蓮がうなずきながらいってくる。


『よくはわからないが、そいつ等と同類だと思われる。そいつらに封じられたらしくてな。』
「ということは・・・。」

真剣なまなざしを私に向けてくる。

『その元凶を調伏、そして封じられた同胞を助けてやってほしい。』
「・・・・わかりました。」

『それまでは、その地にて潜伏したほうがいいだろう。お前の父親にいったらどうぞといっておったがな。』

「それって、断りようがなかったということですか・・・。」
「ま、がんばれや。」
『そういえば。すでに転校届けをだしたとかもいっていたな』



・・・。後で一発なぐっとく。
絶対。

「お前、父親殺しはやめとけよ」
「しないよ。殴るだけだから。」

紅蓮がはぁっとため息をつく。

「長期戦になりそうだな。」
「そうだね、みんなの話を聞く限り手強いんでしょう?」

「お前だけは何が何でも守ってやる。」
宵藍が横を向きながらいう。

「我らも同様だ。が主になってからずっとそうだ。」
「そうね。待ちに待った3代目の主だもの。」
玄武と太陰がうなずきながら南を見つめる。

ほかの神将もも南の方角へ目を向ける。

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