0.この少女 過去最高
「いってきまーす。」
今日もいつもと同じ時間に起きいつもと同じ時間に家を出る。
我が家はいまどき珍しい日本家屋だ。
平安時代より。破損したとこだけを宮大工に直してもらったりしている。
通常の大工だと、直せないらしい。
すると、後ろのほうから声が聞こえる。
≪。≫
「あれ?どうしたの勾陣?今日は護衛は紅蓮と六合だったはずだけど。」
そう呼ばれている二人は、赤髪の青年と鳶色の青年だ。
その二人は隠形して傍にいる。
「忘れ物だ。」
門のところで顕現する勾陣。
その手にもっていたのは桃色の巾着袋。中に入っているのは四角い箱。
「あ、お弁当わすれてた。ありがとう勾陣」
≪まったく、お前ってやつはドジだな〜≫
「うるさい。紅蓮。あ、勾陣作ってくれた天一にお礼言っておいてね」
「あぁ、了解した。」
小さいころから、母親は家にいなかったために母親のすることは神将たちが代わりにやっていた。
基本家事は女性の神将か、六合がやっていた。
≪まったく、食い忘れてたら貧血で倒れるぞ。≫
「そこまで体弱くないんだけど。」
紅蓮は、過保護だ。擦りむいただけで慌てだす。
ここの通りは人が少ない。近所の人は、お年寄りが多くめったに外には出ない。
だからこうやって神将とも話すこともできる。(小声だけど)
≪ところで、。お前高唹神に呼ばれてなかったか?≫
「うん。放課後にでも白虎の風でいくよ。」
高唹神。いや高唹の神は私の母女神ととても仲がいいらしく、私にもよくしてくれる。
が、人使いがやっぱり荒いので無理難題なことも押し付けられる。
次はいったいどんなことを押し付けられるのだろうか。
「はぁ。」
≪ため息をつくな、幸せが逃げる。≫
「はいはい。あ、恵梨ちゃーん!」
橋の前で待っているのは友達の一ノ宮恵梨ちゃんだ。
茶髪の髪で横のあたりを緑のリボンで結んでいる。姉御タイプだ。
毎日ここで待ち合わせして一緒に学校にいくんだ。
「おはよう。」
「おはよう。」
「今日は護衛は誰なの?」
すると先ほどまで隠形していた紅蓮と六合が顕現する。
彼女は、ある事件がきっかけで封じていた見鬼が戻った。
彼女はぼやけて見える程度なので、それが見るものにとってはとても怖いらしく
封じていたのだ。けれど、彼女はが傍で退治してくれるなら封じることはいらない。
だって、そばに来るものは悪いものではないんでしょう?といってのけた。
「俺らだ」
「・・・・・」
「えっとー騰蛇と六合だったね。」
彼女は、すべてをしった上での友達でいてくれるいい人間だ。
神将たちにとっても彼女はとてもいい人間だった。
ぼんやりと見える見鬼がはっきりと見えるようになればいいのに、と何度もおもったことがある。
と紅蓮たちはいっていた。
「あ、遅刻しちゃう。いそごう」
「えぇ。じゃのことよろしくね」
「わかっている。」
「それが俺らの仕事だ」
神将は再び隠形する。
学校まで小走りで向かう少女たち。
その姿は、女神と人間の合いの子とは思えないほど人間らしかった。