玖 瞳
青龍がこの家にいるようになって、だいぶたつ。
そして、また青龍の同胞が、遊びに来るようになった。
「こんにちは。。」
「あ、天后さん。こんにちは。」
父の遺産はすべて兄にわたった。
そして私は父の墓参りにはまだいっていない。
でも、すこし心が穏やかなのは、
青龍がずっと傍にいてくれたから。
そして十二神将たちが遊びに来てくれるからだ。
「ふふ。天后でいいといっているのに。」
「でも・・なんか慣れなくて」
青龍は青龍って呼べるのにね。
おかしいかもしれないけど。
天后は、お茶をいれてくるわとだけいって台所にいった。
「・・・。」
「あ。青龍。どうしたの?」
不思議そうに首をかしげると青龍は、じっと見つめてきた。
その蒼い瞳をみていると吸い込まれそうになる。
「お前、昨日…妖に近づいたか?」
昨日と言われても、六合さんに危ないから、といわれて一緒にコンビニにいったくらいなんだけど。
そういえばその後、少しだけ六合さんが待っていろとだけいってどこかにいった。
ならばそのときに何かあったのでは?
「・・・六合さんと一緒に外には出たけれど・・・。」
「六合?…そうか。後で聞いておくか。」
「お茶が入ったわよ。。」
「ありがとう。天后さん。」
にっこりと微笑むと、
どういたしまして。とだけいう天后さん。
神将の人たちは皆優しかった。
でもそれが私にはつらくなっている。
だって、居心地がよくなったけど
別れが辛いから・・・