第七話 光の意味
闇が・・少し、ほんの少しだけど、明るくなったの。
青龍が、いてくれるから。
やさしく、包み込んでくれるから。
青龍が、の過去を知ったのかと聞いた太裳。
それを青龍は頷いた。
だから、それをそのまま太裳は晴明に報告した。
青龍に心を開いてくれた。と。
正直、誰もが驚いただろう、あの無表情の青龍が一番にの信頼を勝ち取ったのだから。
それを聞いて、複雑だったのは騰蛇・・だった。
「もっくん、どうしたの?」
『昌浩か、いや、ちょっとばかり複雑でな。』
は、神将たちには心を開いている。
そう思っていた。人間には開かないなら神将たちだけでも、と思っていた。
しかし、それは、勘違いだったのかもしれない。
現に、は、青龍から離れない。
青龍も、どんな過去をみたのかわからないけれど、晴明に命じられない限り、の傍にいるのだ。
これでは、に近づけない。
青龍は性格が合わない。
自分に非があるのもわかるが・・。
「ねぇ、もっくん。って、俺たちと今じゃ普通に話してくれるけど。それもたまにぎこちないときがあるんだよ。」
『そうか・・。』
「でもね、時間がかかってもいいから、俺は。俺たちは大丈夫だよ。ってわかってもらいたい。」
何があったのかもわからない。想像もつかないこと。
だけれど、信じるから、信じてほしい。
その気持ちだった。
『そうか、ま、それを伝えてやれよ。』
「うん。」
それから1週間くらいだった。晴明から命を受けて、太裳が青龍を呼びにきた。
『様。申し訳ありませんが、青龍を借りますね。』
「えぇ。」
『・・・・。』
青龍は、眉間にしわを寄せる。
だいたい。晴明が呼び出すというと、闘将は外に出てしまう。
それでは、誰がを守るのか。
『心配要らない。今回は俺がいる。』
そういうと、近くで同じ木将が顕現する。
『戦うすべはありませんが、私もおりますし。』
六合と太裳が、さっさといけ、という。
青龍は隠形して、晴明のところに向かった。
「大丈夫かな・・。」
『近くに、勾陣も騰蛇も晴明に控えてる。大丈夫だ。』
青龍を心配し、つぶやいた言葉を六合が返答する。
「そう。なら大丈夫よね。」
『・・・。青龍がよろしかったですか?』
「太裳?」
太裳は、少し苦笑しながらいう。
『我々は力不足でしょうか?』
「力不足だなんて、そんな!」
太裳も六合も、大好きだ。
神将もみんな、この家の人も。
とてもやさしい。
『私には、私は貴女を支えられないのでしょうか?』
晴明に使えている身でありながら、彼女のためになりたい。と思うのはいけないことだろうか。
少なくとも、彼女の世話を頼まれてから・・・ずっと傍に控えていた。
それは青龍と同じ時間だった。
なのに、青龍とこんなにも違う。
愛を。光を与える存在。
彼女からもらったのは光ではない。
いとしい。と思えるそれが光。