番外 分かち合う心
あの娘の過去をみた俺は、不思議な気分だった。
あれを傷つけてきたものをすべて壊してしまいたいと思った。
『俺は・・・どうしたんだ』
自分のこの気持ちに少し苛々しつつ、寝ているを眺める。
神との合いの子。でも、どう眺めても、は人間だ。
女神から生まれた少女。
幸せで、誰からも愛される。
それが女神だ。
少女はそれとまったく違う生き方をしてきた。
命をあきらめるほどに。
俺はそれがひどくつらかった。
もしそのまま死んでしまっていたら・・・?
『本当に、何を考えているんだ。俺らしくない。』
『そうですね、一人でぶつぶついっている貴方は珍しくもありますが』
太裳が声をかける。
『予測の範囲ですが、もしや、過去を・・・?』
これはしゃべれない。
だからただ俺は小さくうなづいた。
『そうですか。彼女は不思議ですね。我々の光のようです。』
『あぁ』
だから、いやでもなく。
心地よい。
晴明に名をもらったときのような。
そんな感じだ。
ただ・・・。
守りたい。
俺はそう思った。
晴明以外にそんな存在はできないとおもっていたのだが・・・。
『太裳、異界に戻っている。あれが起きたら知らせろ。』
『わかりました。』
全部、分けれればいい。